日本で初めて労働組合をつくった男【労働運動の原点】



アメリカ流デモクラシーの思想


 
 1896(明治29)年、城常太郎がアメリカからデモクラシーの思想を持ち帰って最初に取り組んだ運動は「労働組合法」制定を求める請願書を衆議院に提出する運動だった。 しかし、体制を維持しなけらばならない権力者側にとっては、城の説くデモクラシーの思想など到底受け入れられるものではなかった。結局、常太郎の悲願だった「労働組合法」の制定は、皮肉にも、太平洋戦争敗戦後の1945年12月22日、アメリカGHQによる占領下で、徹底したデモクラシーを推進しようと様々な方策を講じた結果、その一つとして実現した。けっして日本人の手により創り上げたものではなかった。城が最初の一歩を踏み出して以来、49年の長い長い年月が経過していた。