明治のころ、この国を「働く者の楽園」に変えようとした靴職人がいた←(トップページへ)



植木枝盛


植木枝盛君を弔す

自由主義の人にして、女子を重んぜざるは、一大矛盾なり。而して、自由論を主唱すると共に女権論を主唱したるは、君なり。女子を重んずるの人にして、公娼公置を放任するは、一大矛盾なり。而して、女権論を唱ふると共に公娼全廃論を主張したるは、君なり。君は、女学雑誌尚ほ幼き時、既に女権論者の大先達なり。君は、国中未だ一個の廃娼会あらざる時、既に廃娼建議の率先者なりき。其の眞密なる論議、其の雄厚なる達弁は、世人長久に忘れじ。吾党は更に、君が女権論、廃娼論を永遠に記念せんとす。自由主義の政論者は一大損失に遭へり。吾党も亦た、女論、廃娼の為に深く君が永逝を惜しむもの也。

『女学雑誌』(第302号 明治25年1月30日発行)